骨折について
骨折は、転倒や事故などで骨に強い力が加わることで発生します。骨が耐えられなくなると折れてしまい、損傷部位に腫れや痛み、場合によっては変形が生じます。ただし、骨折には見た目に変形がないものもあり、レントゲン検査だけでは確認できない場合があります。特に、不全骨折(骨挫傷)や疲労骨折は、MRIなどの詳細な検査で初めて診断されることがあり、注意が必要です。
骨折の治療について
治療方法は、骨折の状態や患者さんの状況によって異なります。
- 保存療法(外固定):骨のズレがなく、比較的若く骨癒合しやすい骨折の場合、ギプスやシーネ(副木)などで骨折部位を固定し、自然治癒を促します。
- 手術療法:骨のズレが強く、骨癒合しづらい場合や、関節内の骨折の場合、手術が必要になることがあります。手術では、金属のネジやプレートを使用して骨折部を固定する方法が一般的です。 また、治療方針は、患者さんの年齢、栄養状態、基礎疾患の有無、骨折部位、転位の程度などを考慮して決定します。
骨折の治癒過程
骨折が治るまでには、以下の3つの段階を経ます。
- 炎症期:骨折直後から数日間、損傷した組織や内出血を除去する免疫細胞が活動し、患部の腫れや痛みが生じます。この期間は、修復のための血流増加や免疫細胞の活動により、患部の腫れや圧痛が生じます。
- 修復期:骨折後数日から数週間、仮骨と呼ばれる柔らかい組織が形成され、徐々に硬い骨へと変化していきます。この期間は、変形やズレが生じやすいので注意が必要です。
- リモデリング期:仮骨がさらに強固な骨に置き換わり、骨の形状や機能が元に戻っていきます。このプロセスは数ヶ月から数年かかることもあります。
骨折の治癒期間
骨折部が仮骨で結合され、ある程度の運動負荷に耐えられるようになるには4~12週間を要します。ただし、年齢、栄養状態、部位などによっても異なります。 また、負傷前の状態に戻るまでには、おおむね3ヶ月~6ヶ月かかるとされています。
リハビリテーション
骨折後のリハビリは、負傷後数日もしくは処置をした後から開始されることが一般的です。リハビリを適切に行うことで、回復を促進し、再発を防ぐことが期待できます。
注意点
以下のような場合は、骨折の可能性がありますので、早めに医師の診察を受けることが大切です。
- 転倒や衝撃の後、腫れや変形がある場合
- 変形がなくても、痛みが3週間以上続く場合 骨折はすぐに治るものではなく、回復には時間がかかります。焦らず、適切な治療とリハビリを受けることが重要です。
当クリニックへ是非ご相談ください。