肩の痛み
肩の痛みの原因はさまざまで、外傷によるものだけでなく、神経や内臓の影響による場合もあります。特に右肩の痛みは、胆石などの内臓疾患が関与している可能性があるため注意が必要です。
肩の痛みの主な原因
肩関節周囲の外傷や炎症(急性)
- 肩関節や鎖骨、上位肋骨の外傷:骨折や脱臼、捻挫による痛み。外傷の既往がある場合はレントゲンやCTで評価が必要です。
- 肩関節周囲炎(五十肩):肩関節の腱や滑液包の炎症による痛みと可動域制限が特徴です。加齢や過使用が原因となることが多く、急性期は夜間痛が強いことがあります。
頸椎由来の神経痛(急性~慢性)
- 頸椎椎間板ヘルニアや変形性頸椎症により神経が圧迫されると、肩や腕に痛みやしびれが放散することがあります。特に頚椎のC5~C7領域の神経根障害は肩の痛みとして感じられることが多いです。
内臓疾患に伴う放散痛(亜急性~慢性)
- 胆石・胆嚢炎(特に右肩の痛み):胆石が胆嚢や胆管に詰まることで右肩に放散痛が生じることがあります。食後に悪化することが多く、発熱や吐き気を伴う場合は注意が必要です。
- 肝疾患(肝炎・肝腫瘍):肝臓が腫大すると横隔膜を刺激し、右肩に関連痛を引き起こすことがあります。
- 心疾患:狭心症や心筋梗塞では左肩に痛みが生じることがあり、特に動作と無関係に痛む場合は注意が必要です。
- 胃や膵臓の疾患:胃潰瘍や膵炎では左肩や背部に痛みが放散することがあります。
受診の目安
- 整形外科の受診が推奨される場合
- 肩の動かしづらさや痛みが続く場合(五十肩)
- 頸椎の問題が疑われ、腕のしびれや脱力を伴う場合
- 内科・消化器科の受診が必要な場合
- 右肩の痛みとともに食後の不調や発熱がある場合(胆石・胆嚢炎の疑い)
- 左肩の痛みとともに胸痛や息苦しさがある場合(心疾患の疑い)
- 胃の不快感や背部痛がある場合(胃・膵臓の疾患の疑い)
当院では、肩の痛みの原因を適切に評価し、整形外科的な問題だけでなく、必要に応じて内科・消化器科・循環器科などの専門医と連携しながら診療を行います。症状が続く場合は早めに当クリニックへご相談ください。